伝統と現代が融合する新しいカラー書道の世界
鎌田惺舟作「馬」
作品名：馬
制作年：2010年
解説文
躍動感あふれる生命力、書道の筆致が描く「馬」
書道の篆書（てんしょ）を彷彿とさせる筆致で描かれた「馬」は、まるで疾走する瞬間を切り取ったかのような躍動感に満ちています。力強い筆の運びと、墨の濃淡が織りなす陰影は、馬の筋肉の動きや躍動感をリアルに表現しています。
2010年、鎌田惺舟によって生み出された「馬」は、単なる漢字の表現にとどまらない、生命力あふれる力強い作品です。
書道の伝統と現代アートの融合
この作品において、鎌田惺舟は書道の伝統的な筆遣いを現代アートに取り入れるという挑戦を行いました。書道において最も力強い表現の一つである篆書は、その力強い筆致が特徴です。しかし、アクリル絵の具は、墨のように紙の上を滑る特性がないため、書道の筆遣いをそのまま再現することは容易ではありません。
鎌田惺舟は、この困難を克服するため、独自の技法を開発しました。アクリル絵の具の特性を最大限に引き出しつつ、書道の筆致を表現するために、何度も試行錯誤を重ねた結果、この力強い「馬」が誕生しました。
作品に込められた想い
「馬」は、古来より力強さや自由を象徴する動物として人々に親しまれてきました。鎌田惺舟は、「馬」を描くことで、生命力や躍動感、そして自由への憧れを表現したいと考えていました。
この作品には、作者の「生きること」に対する強い意志と、生命の輝きが込められています。力強い筆致は、生命力あふれる躍動感だけでなく、作者の心の奥底から湧き出るようなエネルギーを感じさせます。
作品の見どころ
書道と現代アートの融合: 書道の伝統的な技法と、現代アートの自由な表現が融合した、新しい表現形式となっています。
躍動感あふれる筆致: 書道の篆書を彷彿とさせる力強い筆致が、馬の躍動感を表現しています。
墨の濃淡による陰影: 墨の濃淡が織りなす陰影が、馬の筋肉の動きをリアルに表現しています。
アクリル絵の具の鮮やかな色彩: アクリル絵の具の鮮やかな色彩が、作品に華やかさを添えています。
鎌田惺舟の「馬」は、書道の伝統と現代アートを融合させた、独創的で力強い作品です。作者の情熱と、たゆまぬ探求心によって生み出されたこの作品は、見る者に感動と勇気を与えてくれるでしょう。
