Artist & Philosophy
鎌田 惺舟について
伝統を脱ぎ捨て、色彩の物語を紡ぐ
古典の深淵から、新しき現代アートへ
五歳で初めて筆を握り、半世紀近くにわたり「書」の深淵を歩み続けてきました。楷書から石鼓文、古代の象形文字に至るまで、先人たちが築き上げてきた古典の厳格な骨格は、私の表現における揺るぎない礎です。
しかし、墨一色の世界で技を競う枠組みに、いつしか私の精神は収まりきらなくなりました。「文字とは単なる記号ではなく、感情を宿し、情景を映し出し、呼吸を続ける生命体である」——その切なる願いから、試行錯誤を重ねて辿り着いたのが、色彩・立体・物語を融合させた『カラーブラッシュアート』です。
“Characters are not merely symbols; they are living beings that embody emotions, reflect scenes, and continue to breathe.” — Bridging classical discipline with modern pigments and gold reliefs, each work reflects a relentless pursuit of spiritual tranquility.
カラーブラッシュアートの4つの美学
色彩とコントラストの美学
厳選した彩り豊かな和紙を幾重にも重ね合わせ、力強い筆跡との美しく鮮烈な対比を際立たせています。
トーン・オン・トーンの奥ゆき
文字の色彩を背景となる和紙と同系色のトーンに揃えることで、画面に繊細かつ深い立体感をもたらします。
光を纏う立体表現
文字の輪郭に極細の金彩ラインを丹念に施し、光の反射を利用することで、彫刻のような浮き彫り状の美を演出します。
素材と輝きの調和
手漉き和紙が持つ有機的な温もりと、金縁取りの繊細な輝きが共鳴し、静謐で唯一無二の世界観を創り出します。
創作の現場とクラフトマンシップ
アクリル絵の具が解き放つ鮮やかな発色。そして手漉き和紙の細やかなちぎり絵細工。古来より継承されてきた書道の厳格な規律を背骨に持ちながら、現代の素材と技術を重ね合わせることで、空間に置かれた瞬間に場を浄化するような作品作りを目指しています。
一文字、一筆の背後に立ちのぼる、深く豊かな物語と祈りの造形美をご堪能いただければ幸いです。
